新刊書の紹介:「死ぬまでに行きたい世界の図書館」笠倉出版社



何とも物騒なタイトルの本だが、中身はとても美しい本である。写真集のようだが、説明文もかなりボリュームがあり世界の図書館のガイドブックである。
最近この手の書籍が売れているのか、同類の本が多数出版されていて書店でよく見かける。蛇足だが今回紹介する本の他に、わたしは「日本の最も美しい図書館」というのもこれよりチョッと前に買った。

死ぬまでに行きたい世界の図書館
死ぬまでに行きたい世界の図書館 笠倉出版社

さて、今回紹介する「死ぬまでに行きたい世界の図書館」はカテゴリーとしてはガイドブックなので、内容に関しての記述は控えるが、美しい画像と各図書館の解説はこのサイズの書籍としては充実している。

いつかはこんな図書館に行ってみたいという興味からガイドブック的に購入するも良し、または世界にはどんな図書館があるのだろうという単なる好奇心から購入するも良し、いずれにしても手元に置いておきたくなる本である。図書館を推奨する記事を書いていながらおかしな話だが、図書館で借りて読むというよりは、所有欲を駆り立てる魅力的な本と言えるだろう。

写真を見ているだけでも胸は高鳴るが、これを参考にお気に入りの図書館に実際に行ってみたら、猶のこと素晴らしい経験に繋がるにちがいない。

最近は書店を題材にした小説や今回のような図書館関連の本が多く出版されている。電子書籍云々と叫ばれている時代にあって、一見理解しがたい現象のように思えるが、実際に手で持って重さを感じる紙ベースの書籍は依然として捨て難いと思っている人は、想像以上に多いということを物語る現象と言えるだろう。

日本の最も美しい図書館 立野井一恵(文)
日本の最も美しい図書館 立野井一恵(文)1,800円+税 株式会社エクスナレッジ

同様に、ダウンロード全盛のミュージックシーンにあって、CDやレコードを求める人たちが相変わらず多いことも同じ背景があってのことと思う。
どんなに文明が進み、テレビゲームやオンラインゲームが進化しマルチメディアの世界が多彩になっても、わたしたち人間はアナログ的なものを完全に捨て去ることはできないのだと痛感した。
この本に紹介されている海外の図書館は、近代的なものも多少あるが、そのほとんどが歴史と伝統の香りを漂わせる図書館で一朝一夕では成し得ない重量感を感じた。
その意味で、とてもアナログ的だと感じたし、デジタルでは考えられないもうひとつの世界があることも再認識した思いだ。

実際問題、アナログ的なものはデジタルの力に徐々にではあるが凌駕されて行くのは悲しき事実だろう。そんなデジタル社会に生きるわたしたちは、こうしたアナログがデジタルに優る僅かな領域にのみ(と言うか「こそ」かもしれないが)魅力と感動を覚えるのだろうと、この本と出合い感じた。もはやデジタルの世界ではどんなに凄いことも、わたしたちは大した驚き(感動)をもたないという事実もまた悲しいものだが・・・

ちなみに、今回紹介の「死ぬまでに行きたい世界の図書館」の後半部分には、ヨーロッパやアメリカの歴史あるユニークな書店が紹介されている。「美しき世界の本屋さん」と題したページが20ページにわたり設けられているが、これがまた絵的にも美しく貴重である。
この内容にして790円(税抜き)はいまどき、良心的と言えるだろう。


 

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ハワイ州立図書館を訪ねる 2015
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