Mac OS XでGoogleが開かないことについて


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昨今はMac神話が崩れ、マックにもウイルスソフトが必要なご時勢になってしまいました。裏を返せば、それだけマック人口が急増しMac OS X向けの悪質コンピュータウイルスを作成する人が出てきたということ。
まったく困ったことで、お金が掛かる時代です。

そんなことで、渋々愛用Macに、これまでWindows PCで利用してきた@niftyの「常時安全セキュリティ24」というセキュリティーソフト(Mac版)をインストールしたのですが・・・

導入当初は気が付かなかったことですが、これが悪夢のはじまりで、なんとGoogleの検索サイトが開かないということに気が付きました。

図1(ブラウザ「safari」のエラー表示)
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図2(ブラウザ「Google Chrome」のエラー表示)screenshot_02

当初は原因が解らず、ブラウザ「safari」の設定上の問題かと軽く考えていましたが、一向に解消できず検索などはWindowsPCに任せ、しばらくは諦め状態のときもありました。
その間、いろいろ試したことをまとめてみると、

  • ブラウザを「safari」「Google Chrome」「FireFox」で試みましたが、結果的にはNGでした。一部ネット上では「safari」特有の現象のように書かれてありましたが、わたしのケースではどのブラウザもダメでした。
  • Googleだけではなく「https://***」ではじまる、いわゆる暗号化サイトがことごとく開きませんでした。
  • 「サイトの再読込み」ボタンを何回か連続クリックすると開けることが稀にありました。
  • WindowsPCではまったく問題なく開くことができます。

以上のことから、サーバー側やネットワークのトラブルが原因とは考えにくいので、導入間もないセキュリティーソフトに的を絞りました。

結果的にも悪さの原因は@niftyの「常時安全セキュリティー24」の設定上にあることが解りました。
以下はそのトラブル解消の操作手順とコメントです。

ちなみに、@niftyの「常時安全セキュリティー24」はF-1のチームのスポンサーにもなっているKASPERSKYの「マルチプラットフォーム セキュリティ」をベースにしているようです。わたしはライセンス数の関係でこのソフトを別にパッケージ購入して使っているのですが、同じ不具合はこちらでも出ます。
(*@niftyの「常時安全セキュリティ24」は一契約PC3台まで。)

<操作手順>

「常時安全セキュリティ24」を開くと図3の画面が表示されます。
右下のウェブ保護(このときは有効状態)部分をクリックします。

図3
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図4画面が表示されますので、
ウェブ保護の「安全な接続(HTTPS)をチェック」と「ウェブ保護を有効にする」の両方のチェックを外します。

図4

図4

「安全な接続(HTTPS)をチェック」のみチェックを外すだけで解決するということもあるようですが、わたしの場合は二つ外さないと解決しませんでした。

以上で Mac OS XでGoogleが開かないというトラブル対応は解決を見るのですが、ここでひとつ気になることがあります。
それは、図4の2箇所のチェックを外した状態だと「常時安全セキュリティ24」の最初の画面は図5のような画面に変わってしまいます。

図5
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これは何を意味するかと言えば、本来安全を意味するグリーンから警告のオレンジに変わっているわけで、セキュリティ上は万全ではないと言うことではないでしょうか。この状態でネット閲覧を奨励するのであれば、それはまるで「不十分な装備で危険な冬山へ登山に行きなさい」と言われてるようなものです。。
これでは有料でセキュリティソフトを導入した意味がまったくないと思うのですが、如何でしょうか。

わたしの場合、マックにセキュリティソフトを入れたのが最近でしたから、気が付くのも遅かったのですがネット上に限っていえば、かなり以前からこの問題は囁かれていたようで、そう考えるとこのような不十分なその場凌ぎの対応では問題の本質解決にはなっていないと思います。
不親切というか無責任だと思います。関係する企業には早急の誠意ある対応を期待したいところです。

 

憧れの図書館とは Part 2

この間、図書館の記事を書くにあたり、図書館に関する本や雑誌を読み、あるいはネット等で調べ物をする上で、図書館にまつわる意外な事柄を知ることができました。

例えば、普段なら視界に入らないような本、一例として「情報基盤としての図書館(根本彰 著 勁草書房)」、これは本来、図書館司書を目指している人が読むような本だと思いますが、読む機会に恵まれました。

また、ここ何年か若い人たちに人気の「図書館戦争」シリーズ。
これは出版数も膨大で流石に読んだ訳ではありませんが、メディア全般に対する権力者側の弾圧的な対応や「表現の自由」の問題と言ったかなり難しい題材を扱っているアニメであり映画だということが分かり、その概要が掴めただけでも勉強になりました。

library book
library

活字離れや電子書籍の台頭で、紙ベースの本が危ういなどと叫ばれて久しいですが、こうしてみると、依然として図書館や本への関心が根強いことがわかり一安心です。

ただ、この調べ物をしている中で、懸念すべき問題もいくつかありました。
それは、前述の「図書館戦争」でも中心的テーマになっている「図書館の自由に関する宣言」という実際の条文の存在と、昨今、一部の大学図書館や「ツタヤ図書館」等で実施され始めた「図書館内での会話OK」のルールに関してです。この会話OKルールは現在は特定の図書館で試行実施されていますが、今後は多くの図書館に波及してゆくことが予想されます。どんなに古臭い考え方と言われようと、わたし自身としては、図書館に会話、おしゃべりは相応しくないと思います。

こうしたルールができた背景、経過について詳しいことはわかりませんが、各自治体の財政難から利用者が少ない図書館は閉館の可能性ありという危機感から始まったとしたら、個人的には納得できません。
(現に、神奈川県の県立図書館では数年前にこの理由で閉館云々が囁かれましたから。)

公共事業の強みは、民間のように収益のことを第一に考えず、思い切った企画運営ができるところだと思います。その意味からすると、利用者が少ないからといって閉館では民間運営と何らかわりません。

以前取り上げた佐賀県武雄市のツタヤ図書館の館長さんのコメントに「館が新しくなって、 今まで以上にいろんな人がそれぞれの居場所を求めてやってくるようになった(2013/10/05 3:30 日 本経済新聞 電子版より抜粋)」というのがありましたが、このコメント内容は非常に気になるところです。

このコメントでは、図書館、読書など直接本に関わりのない人たちでも「入館してもらえればそれで良し」という打算的印象を受け、いわゆる数字合わせに思えます。図書館が本来目指している主旨・目的に合致した人たちが集ってはじめて、真の活性化といえるのではないでしょうか。

飲食OK、会話OKなど、すべては閉館されないための苦肉の策、妥協案に思えてなりません。飲食OK、会話OKで人的交流、情報共有を図りたいのであれば、図書館よりももっと相応しい施設があるはずです。いったい、前述の「図書館の自由に関する宣言」はどこへ行ってしまったのでしょうか。

そうならない為にも、公共図書館は最後の聖域にならねばいけないと思います。特殊な専門書やマイナーな書籍もできるだけ保管管理し備えるという拘りの姿勢と、利用者の人数に左右されないのびのびとした運営にこそ、公共図書館としての大いなる役割があり、「情報基盤としての図書館」と呼ぶに相応しいのだと思います。
自由な気風の中に「おしゃべりはダメ」というスパイスを効かせることは今の世の中には必要なことのように思えます。そうしたある種、神社仏閣や教会のような静粛にすべき場所、ケジメをつける場があっても良いではないでしょうか。

行列ができるような図書館は大袈裟かもしれませんが、これからの図書館がその種の図書館を目指しているとしたら、「図書館の自由に関する宣言」は到底守られることはないでしょうし、本末転倒のように思えます。

前回の記事で最後に述べた「行列ができるような図書館には通いたくない」というわたし自身のコメントは、以上のような理由から発せられています。

財政が厳しいからと、入館者数が少ない、利用頻度が思わしくない図書館は閉館という考えはあまりに短絡的です。ほんの一例ですが、文科省の大学への補助金を見直したり、図書館内の正規職員に代わるアルバイトやボランティアの積極的な活用を考えるなど、閉館を決断する以前に、経費を減らす方向での検討の余地はいくらでもあるように思うのですが...

そうした提案をすると、ルールを分かっていないとか、予算の枠組みがどうのこうのといった反論が目に浮かびますが、単なる図書館の問題ではなく、もっと大きな枠の中で議論いただきたいものです。




憧れの図書館とは

前回は「ツタヤ図書館」について触れたので、今回はわたしが理想とする図書館について述べておきたいと思います。

ハリウッド映画などを観ていると、主人公の学生が図書館で調べ物などをしているシーンを見かけます。

高い天井に歴史を感じさせる重厚な机や本棚たち。
その光景は、一朝一夕では成し得ない伝統と風格が感じられ、わたしは、ただただ憧れてしまいます。

映画「ペリカン文書」より
映画「ペリカン文書」より

そうした公共図書館ほどのスペースは無理としても、個人的には例えばシャーロックホームズのドラマに出てくるような書斎でもいいのですが、欲しいものです。
それもムリですね。

ところで、最近の図書館は最先端の近代建築のテクノロジーを駆使し、機能性を追求した無駄のない建物が目立ちます。
抽象的な絵画やオブジェが適度に配置され、如何にも未来志向といった感じです。

モノトーンで統一された空間は、実際よりも広いスペースに感じられるかもしれません。清潔感とオシャレな雰囲気が漂うその空間は、如何にも現代的でインパクトがあり、多くの人たちの注目を集めることは間違いないでしょう。
実際、そのような傾向の図書館が全国的に増えているように思います。

でも、わたしはそうした空間にむしろ違和感を感じます。
それは、現代という時代に象徴される慌しさや冷ややかさを感じてしまうからです。先述した映画のワンシーンのような落ち着きと温もりは、
残念ながらそこからは感じられないのです。

Desk&Lamp
Desk&Lamp

昨今、自治体の公共図書館は老朽化を向かえその対応策の中で、何らかの形で佐賀県武雄市や神奈川県海老名市の「ツタヤ図書館」が参考例として出され、多くの自治体で検討されることと思います。

先行の自治体では書籍の選定問題や民間が加わることで利益優先にならないかといった懸念など、運営面での問題点がクローズアップされていますが、わたしとしては図書館の建物外観や内装レイアウトなどにももっと関心を持ってほしいと感じています。
それは、運営面での問題は活動の中で解決が可能ですが、建物等については、一旦建設してしまうと費用の面などで修正が容易ではないからです。

個人的には、現代アート的な建物を新築するよりは、古い建物の良さを活かしたリニューアルで、伝統を維持した個性ある図書館が再スタートできればと思います。

更に、要望としては学習机の一人当たりのスペースに、もう少しゆとりがほしいです。わたしが利用する市の図書館などは学習スペースが狭い上、隣と肩が触れ合うほどの間隔で椅子が配置されていて圧迫感があります。それでも空席があればラッキーで、ほとんど満席で利用できないことがほとんどです。果たして、こうした環境のなか満足のいく学習がみなさんできているのでしょうか。

以前、県立図書館のアンケート調査のなかで利用状況に関する設問に対し、「行列のできるような図書館になったらもう通いたくない」という回答をしたことがありましたが、この件に関しては次回にいたします。

愛知県小牧市での新図書館「ツタヤ図書館」建設を巡る住民投票結果について

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ここ最近、全国の自治体で拡がりを見せている注目の「ツタヤ図書館」
そんな中、先日(10月9日)の朝日新聞に話題の「ツタヤ図書館」の記事がありました。
それによると、愛知県小牧市で計画されている新図書館建設を巡る住民投票の結果、反対票が賛成票を上回り「ツタヤ」との連携計画は一時停止になったとのことでした。

記事は、住民投票結果がどうしてそうなったのか、問題点は何だったのか、そして今後どうして行けばよいのかといったことに触れていました。

一方、佐賀県武雄市や神奈川県海老名市などでは既に「ツタヤ図書館」は開設されていて、一定の経済効果が出ている反面、いくつかの問題点も出ているという実施事例も紹介されています。

自治体がこの計画を推進したい最大の理由は、図書館建設コストの軽減と市街地の活性化というダブルの効果です。
それに対し、住民側が問題視するのは民間が関われば利益優先になりかねないという懸念からです。
現に、実施済の自治体でも、そうした懸念に該当する事例が出ているからです。

こうした議論を聞いていると思い出すのが「郵政民営化問題」です。
あの時も、賛成、反対の両者から上記のような意見が出ていましたが、強引に実施され現在に至っています。
果たして「郵政民営化問題」は結果的にどうだったのでしょうか。
その評価は、私たち利用者側の立場では評価できても、それは一方的な評価で全体としてどうだったのかは判りません。
何事も実施後の総括は、実施前の議論ほどされないのが世の常ですから。

それと同じことが、今回の「ツタヤ図書館」の問題でも言えるような気がします。
推進する側は実施することに意義があると考えているのではないでしょうか。
「スタートしてしまえばこっちのもの」的な考え方が見え隠れしてなりません。

いずれにしても、今回は反対票の方が多く、一時停止状態になったことは幸いです。
新聞記事は最後に、「『ツタヤ図書館』が提供するサービスと住民のニーズが合致するのか、市と住民が時間をかけて話し合うことが必要です」という慶応大学の糸賀雅児教授のコメントで結んでいますが、正直、それ以前に「図書館の在り方」について議論することの方が先決のように思うのですが...

<参考資料>
小牧市新図書館建設の住民投票結果(2015年10月9日朝日新聞朝刊37面より)
反対 32,352票
賛成 24,981票