2013年7月6日から9月16日まで横浜みなとみらい地区にある横浜美術館でプーシキン美術館展が開かれています。
わたしが出かけたのが9月3日(火)。午前11時に着いたが、開催も終盤のためかチケット売り場は長蛇の列。夏休みの混雑を避けるため9月を狙ったが、どうやら裏目に出たようである。
美術館スタッフに尋ねると、40分待ちとのこと。この後、最終日まで恐らく連日混雑だろうということで、やむを得ず列の最後尾へ。結果的には20分程度でチケットを購入できたが、この間に二度も不快な思いをしたのには呆れるばかりである。
その一つが、列が進む度に後ろのお客からカカトへ再三のキックを受けたこと。もう一つは、いざ購入という時に、順番を守らずわたしを押しのけて行こうとした掟破りのお客がいたことである。実は待ち列は2列で並んでいたのだが、わたしのすぐ後ろの客が偶然にも揃って非常識なお客だったのである。それも所謂「おばさん」と呼べる年代の人たち。ただその二人はどうやら「お仲間」ではなかったようである。あのような状況では、車の渋滞と同じで焦ってもどうしようもないのに、何故アクセクするのだろうか。公共の場でのマナーの悪さが最近目立つが、小中学校の集団ならいざ知らず、実に情けない光景だった。
そうこうしている間に、何とかチケットをゲットし展示会場に向かった。ところが一難去ってまた一難、今度は展示会場入口がお客で溢れているではないか。会場内は秩序というものはほとんどなく、無法地帯そのもの。作品の前でジッと立ち止まり動かないお客。そのため列らしきものはあっても、実態はほとんど進まない。大袈裟な言い方ではなく、実際に会場内を人に触れずに移動することはほとんど不可能な状況だった。その上、ここでも強引に人を押しのけて行く「おばさんパワー」が健在だったことは言うまでもない。
係員らしき人を何人か見かけたが、誘導どころか、お客に圧倒されているといった方が正解かも知れない。あのような状況では、入場制限が妥当だと思うのだが、残念ながらその気配はほとんど感じられなかった。
美術館というチョッと高尚な場に来ているのだから、多少お上品な行動をとって欲しかったと思う。やはり本性は隠せないのか、おばさんパワー炸裂でいつの間にか美術館はデパートのバーゲン会場さながらになっていた。
これまで美術館へは何度も出かけたことがあるが、今回のようなケースは今までで初めてである。
作品をじっくりと鑑賞するという環境では到底なかった。
図書館の利用の際もそうだが、あまりに混雑していたら図書館としての機能は半減してしまい、読書や学習する意欲はなくなってしまうに違いない。
美術館の美術鑑賞も同様で、あそこまで混雑していては鑑賞どころではない。歴史的に価値ある芸術作品に多くの人たちが興味をもち鑑賞してもらうことは文化国家としては喜ばしいことだが、観る側も芸術作品に相応しいマナーをもって鑑賞していただきたいものである。更に、主催者側の運営ノウハウの向上も必須の課題だろう。横浜美術館には今回のことを充分に反省していただき、これ以降の開催に反映させて頂きたいものである。
本来なら美術展鑑賞記として投稿する筈だったが、あまりの開催運営のお粗末さにこのような提言となってしまった。